2017年9月14日(木) 日本工学院テクノロジーカレッジ(東京都八王子市)において、ロボット科に通う学生を対象の『エンジニアは国を変える』と題した講演をさせていただきました。
受講されるロボット科に通われる1・2年生あわせて約80名の学生の皆様に対して、まずは世界の中での日本の立ち位置をおさらいします。
Question1 日本の人口は世界の何番目?
☞ 約1億2千万人で世界第11位。西暦1,000年にはなんと世界第3位でした。
Question2 日本の面積は?
☞ 世界第61位。ヨーロッパに日本を置いてみるとドイツと同じくらいの面積で、EU加盟国に当てはめると第4位の面積となります。
Question3 日本のGDPは?
☞ 世界第3位。中国に抜かれるまでは第2位でした。
学生の皆様は、現在の世界の中での日本の立ち位置をそれほど高くないと考えていたようですが、人口・面積・GDPの見地からもまだまだ日本は世界を牽引する大国だったのです。
まだ経済大国ではある日本ですが、就業人口の減少など産業構造は随分様変わりしています。特に製造業の就業人数はここ20年ほどで1,600万人から1,000万人と、東北6県の人口と同数程減少しており、国の根幹を支える業種としては深刻な事態に陥っております。
そこで、近年の製造業では『ロボットシステムイングレータ(ロボットSIer)』と言われる職種が定義をされ注目を浴びてきています。人手不足等を解消する手段としての産業ロボット導入も、ロボットSIerがレイアウト・周辺設備との繋がりなどのロボット導入のトータルコーディネートを提案することではじめて実現できるのです。学生の皆さんは、エンジニアとして機械・電気・ソフトなど総合知見を有し、今後の需要が著しく高いロボットSIerを目指してみてはいかがでしょうか。
ロボットSIerの講義の後は、『グローバルの変化の理解と グローバル能力向上のために 』と題し、グローバル化の激流の中で10年後に食える仕事・食えない仕事など、将来のエンジニアの立ち位置を、学生の皆様にイメージしやすくお伝えをしました。
講義後に学生の皆様に記入いただいたレポートの中には、『ロボットSIer』、『重力の世界』の2つのワードの記載が目立ちました。参考文献では、『重力の世界』に列挙される仕事群はロボットに取って代わられるリスクが高いと表現されています。自身の将来ビジョンを検討する良い機会かも知れません。